PPL2020 Talk & Posters

Posted on March 2, 2020

小規模組込みシステム向けFRP言語に対する再帰的データ型の導入

横山陽彦,森口草介,渡部卓雄
第22回プログラミングおよびプログラミング言語ワークショップ(PPL 2020), Mar. 2-4, 2020.

概要

関数リアクティブプログラミング(FRP)言語Emfrpに対する再帰的なデータ型の導入手法を提案する. Emfrpはマイクロコントローラのような小規模システム向けに設計された純粋FRP言語である. この言語では,関数やデータ型の再帰的な定義を禁止する等の言語的制約を課すことで, 時変値の更新処理が停止することや実行時に必要なメモリサイズを静的に決定できることが保証される. 本研究では型に対してサイズの情報を含めることで,Emfrpの性質を維持しつつこの制約を緩和する手法を提案する.


状態遷移を表現する組込みシステム向けFRP言語の設計(ポスター)

松村有倫, 渡部卓雄
第22回プログラミングおよびプログラミング言語ワークショップ(PPL 2020), Mar. 2-4, 2020.

概要

組込みシステムの開発では非同期的な入力に対する応答処理と状態遷移に応じた振る舞いの変化が組み合わさることでプログラムが複雑になる.このようなシステムの記述を支援するため,本研究では小規模組込みシステムを対象とする関数リアクティブプログラミング(FRP)言語XStormを提案する.XStormは状態遷移を含むコンポーネントを記述するための言語機構を備えており,動的なメモリ管理を行うことなく実行時の振る舞いの変化を実現する.そのため,実行コードのメモリ使用量をコンパイル時に決定できる.提案する言語によって複雑な状態遷移を含むリアクティブなプログラムをモジュール化して記述できることを示す.


FRPによるGPU上の計算の実現(ポスター)

櫻井義孝, 森口草介, 渡部卓雄
第22回プログラミングおよびプログラミング言語ワークショップ(PPL 2020), Mar. 2-4, 2020.

概要

関数リアクティブプログラミング(FRP)とはリアクティブシステムを宣言的に構築するプログラミングパラダイムである.組込みシステム向けFRP言語としてEmfrpがある.このEmfrpにおいて画像等のデータを扱うときに応答性が悪くなる可能性がある.一方で,GPUを搭載する組込みシステム向けのデバイスも出現した.そこで,本研究ではEmfrpで扱うと応答性が悪くなるようなサイズのデータを扱うために,GPUを利用できるような機構をEmfrpの後続言語のXFRPに導入する.


内部DSLとしての関数リアクティブプログラミング言語の実装手法(ポスター)

辻󠄀裕太, 森口草介, 渡部卓雄 第22回プログラミングおよびプログラミング言語ワークショップ(PPL 2020), Mar. 2-4, 2020.

概要

関数リアクティブプログラミング(FRP)は,時間に依存して値が変化する時変値における依存関係を,副作用のない計算を用いて宣言的に記述するプログラミングパラダイムである.本研究は,Deep Embeddedな内部DSLとしてのFRP言語LRFRPとその実装を提案する.ホスト言語として用いるRustは静的なメモリ安全性の検査を提供し,さらに組み込み開発への応用も進んでいる.そのためLRFRPはC/C++をベースとしたFRP言語に比べ,よりメモリ安全な組み込み開発を提供することも期待できる.


出力制約つき関数リアクティブシステムにおける入力センサの静的仕様推定(ポスター)

白鳥佑弥, 森口草介, 渡部卓雄
第22回プログラミングおよびプログラミング言語ワークショップ(PPL 2020), Mar. 2-4, 2020.

概要

関数リアクティブプログラミング(FRP)とは,時間変化する値を抽象化し,継続的に入出力を行うシステムを設計するプログラミングパラダイムである。Emfrpは組込みシステムを対象としたFRP言語である。組込みシステムにおいては,アクチュエータの想定外の動作による故障を防ぐことが課題となっている。本発表では,Emfrpのサブセット言語であるminiEmfrpによって実装された,センサ1つのみを入力とする関数リアクティブシステムを対象として,アクチュエータが正常に動作するための制約から,それを満たすような入力センサの仕様を推定する手法を提案する。


WSAN向けマクロプログラミング言語の提案(ポスター)

後藤司, 森口草介, 渡部卓雄
第22回プログラミングおよびプログラミング言語ワークショップ(PPL 2020), Mar. 2-4, 2020.

概要

無線センサーアクターネットワーク(WSAN)は物理環境に配備された複数個の計算機が相互に通信することで、物理環境の観測や環境への働きかけを行う分散システムである。その実現にはセンサーノードに加え、環境への働きかけなどを行うアクターノードを含む複雑なノード間協調が必要である。アクターノードを含まない無線センサーネットワーク(WSN)については、マクロプログラミングと呼ばれる、WSN全体を一つの計算システムとみなしてその動作を記述する手法がある。本研究ではWSAN向けのマクロプログラミングのための言語を提案する。


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