JSSST2017 Talks

Posted on September 19, 2017

多言語に対応した衛生的マクロ機構導入方式

高桑健太郎, 渡部卓雄
日本ソフトウェア科学会第34回大会, 慶應義塾大学 日吉キャンパス 来往舎, Sep. 19-21, 2017.

概要

OMetaで記述された言語処理系に対する、対象言語に依存しない衛生的マクロ機構の導入方式を提案する。OMetaは強力なパターンマッチ機構を備えたオブジェクト指向プログラミング言語であり、構文解析器などを作成するのに適している。提案方式は、Racketのマクロ機構で用いられているScope Setモデルに基づき、OMetaで記述されたプログラミング言語の構文解析器に衛生的マクロの定義構文および定義機構を導入するものである。本方式をJavascriptのサブセットおよびMinCamlの構文解析器に適用し、その有効性を確認した。

論文・スライド


アクターシステムを対象としたリバースデバッギングのためのフレームワーク

柴内一宏, 渡部卓雄
日本ソフトウェア科学会第34回大会, 慶應義塾大学 日吉キャンパス 来往舎, Sep. 19-21, 2017.

概要

アクターモデルは並列計算モデルの一つであり,独立した状態を持つノード間での非同期通信により計算が行われる. アクターモデルでは原則として状態を共有しないため,データ競合やデッドロックといった単純な並行バグが回避できる. しかしながら,メッセージ到着順序の非決定性に起因するバグは依然として発生しうる. 我々はこのようなバグの発見を容易にすることを目的として,アクターモデルにもとづく各種言語および実行系を対象としたデバッギングフレームワークActoverseを設計・実装した. Actoverseはリバースデバッギングおよびメッセージ到着順の制御機構を備えており,メッセージ到着順序の非決定性に伴うバグの発見を支援する. 本稿ではActoverseの概要について述べ,Akkaによる例題を通してその有効性について議論する.

論文・ソフトウェア